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運び屋のタタはなぜ殺されなかった?ラストの血は殴られたから【考察&解説】実話ノンフィクション

映画「運び屋」の感想&考察&解説映画&ドラマ批評

今回は映画「運び屋」の感想とあらすじです!

(ジャンル・実話ノンフィクション)

個人的な点数は85点ですね。

映画「運び屋」のあらすじ!ジャンルは実話ノンフィクション

主人公のアールという老人は、かつては有名な園芸家でした。

ですが、インターネットが普及してからは仕事の依頼がめっきり減ってしまったのです。

今まで仕事に専念していたせいで、家族との関係はおろそかになっています。妻や娘からはうっとうしがられています。

仕事がないのでお金もなく、孫の結婚祝いもできません。

そんな時、アールに麻薬の運び屋の仕事がやってきます。1回だけのつもりでしたが、予想以上の大金がもらえるので続けることにしました。

クリント・イーストウッド監督・主演『運び屋』特報
名匠クリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』以来10年ぶりに、自らの監督作品で主演を務める新作。実話をもとに、伝説の“運び屋”として巨額な報酬を得ていた90歳間近の老人の姿を追う。配給:ワーナー・ブラザース映画©2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER...

映画「運び屋」のキャスト&登場人物

キャスト&登場人物
  • アール・ストーン(クリント・イーストウッド)
  • コリン・ベイツ捜査官(ブラッドリー・クーパー)
  • 主任特別捜査官(ローレンス・フィッシュバーン)
  • トレビノ捜査官(マイケル・ペーニャ)
  • メアリ(ダイアン・ウィースト)
  • ラトン(アンディ・ガルシア)
  • フリオ(イグナシオ・セリッチオ)
  • ジニー(タイッサ・ファーミガ)
  • アイリス(アリソン・イーストウッド)
  • グスタボ (クリフトン・コリンズ・Jr)

映画「運び屋」の感想&考察(ネタバレありの解説です)

※ここからネタバレあります

 

運び屋のタタはラストでなぜ殺されなかったのか?血が出ていたのは殴られたから

この映画で気になるのは、ラストシーンです。タタ(アールのあだ名)は、妻の最後を看取るために仕事を投げだしました。

そのおかげで妻と最期の時を過ごせました。ですがその後、マフィアに見つかって「お前を殺す」と言われます。

このシーンを見たとき、「アールは殺されてしまうのか・・・」と思いました。

ですが、アールは殺されなかったのです。殺されなかった理由は、アールが有能な運び屋だからです。

厳しいボスに変わりましたが、彼もアールの実績は認めています(1人で信じられないぐらい麻薬を運んだので)

アールの勝手な行動にムカついたでしょうが、彼らもビジネスでやっています。その時の感情に流されるのではなく、お金を稼ぐことを優先したのでしょう。

さて、ラストシーンでアールは顔から血を流していました。

厳しいボスはアールを殺しませんでしたが、代わりに「ボコボコに殴れ」と部下に命令します。その結果、アールは顔を殴られて出血したわけです。

90歳の運び屋という実話に基づいたストーリー。元ネタの本人はレオシャープという人物。

さて、この映画は「90歳の運び屋」という実話に着想を得ています。

では、元ネタ「90歳の運び屋」はどんな内容だったのでしょうか?

メキシコからデトロイトへ、月に何百キロもコカインを運ぶ男がいました。

その男は10年間捕まっておらず、「実在しないのではないか?」と都市伝説となっていたのです。

ある日、その男の特徴にソックリの人物を警察が見つけ、跡を追うことに。

その男が「伝説の男」だと確信した警察は、トラックから降りさせました。その男は、なんと87歳の老人だったのです。

トラックの中は散らかっており、食べ物やミルクなどが転がっていました。

老人は「こんな老人を止めて、どうするつもりだい?」とたずねます。

警察は麻薬犬を連れてきて、トラックの積み荷を調べることにしました。すると、その中からは100キロのコカインが出てきたのです。

老人は白状し、都市伝説とまで言われていた男は逮捕されたのです。

伝説の運び屋が、何百キロのコカイン(10億円以上)を運んでいたのは実話だったようです。

そして10年も捕まらなかったとか。その秘訣は、老人ならではのゆっくりで気ままな走行だったようですね。

この老人の名前は「レオシャープ」で、元々はユリ農家だったようです。お金に困ってドラッグの運び屋はじめたそう。

まさか87歳の老人が伝説の運び屋だったなんて、警察は思いもよらなかったでしょうね。

実話のその後はどうなったのか?

伝説の運び屋レオシャープは逮捕され、3年の懲役を受けることになりました。

映画では「俺が犯人だ!俺がやった!」と潔いラストでした。ですが、現実では「懲役なんて食らったら、自殺する!」と文句を言ってたそうです。

映画のアールはかっこいい男性ですが、実際のレオシャープは自分勝手なワガママ野郎だったようですね。

運び屋のボス、ラトンは良い人だったのに・・・

映画の中盤、麻薬売りのボス「ラトン」は部下に殺されてしまいました。

ラトンは甘かったのでしょうが、彼はアールの才能を見抜いていたのです。彼は悪者ですが、殺されたのはちょっと悲しかったですね。

ラストは美化しすぎじゃない?祖父が犯罪者なんだぜ?笑

全体的に面白いストーリーだったのですが、ラストはアールを美化しすぎですよ!

アールはお金に困っていたとはいえ、麻薬を運んでいたのです。しかも、十分なお金を稼いだのにも関わらず続けることを選んだのです。

彼はれっきとした犯罪者です。十分お金は稼げたのに、欲におぼれて麻薬を運び続けました。

そんな男が、最後に妻を看取っただけで、あんなに家族から許されるものでしょうか???

無視を続けていた娘も「あなたのこと愛してるから」と態度をいっぺん。

ラストを無理やり美化した感じ。せっかく面白いのに、ラストが違和感ありすぎて残念な気持ちです。

DEAの男も「元気でな」なんて言うんじゃねー!!!

家族はアールのことを愛するようになり、態度がいっぺん。

しかもDEAの男も「まさかあなたが犯人だったとは。元気でな」と甘いセリフを吐くのです。

警察だったら、こんな優しいセリフを吐くべきではないでしょう!もっと厳しくしてやるべきです!!

ニグロは黒人を差別する言葉。使ったらいけないよ!

アールがドラッグを運んでいる時、道端でパンクして困っている家族がいました。

そんな彼らに「ニグロ」という言葉をアールは使います。ニグロは黒人を差別する呼び方です。

黒人夫婦は、ニグロという言葉に困惑しました。ただ、アールは古い時代の人なので、差別用語を使っている意識はなかったのでしょう。

大男が叩いていたのは製氷機。氷が出なくて困っていたみたい。

アールがホテルに泊まったとき、機械をたたいている男性がいました。その男が叩いていたのは、製氷機です。

氷が出なくて困っていたのでしょう。叩いてものを直そうとするなんて原始的ですね。

運び屋は面白いけど、ラストがつまらない。もう少し現実的な終わらせ方をしてくれ

90代のおじいさんが伝説の運び屋になる。道中で美味しいサンドを食べたり、歌ったり。

そんな気ままな運び屋の姿を見て「今を楽しむって大切なんだな~」と思いました。

全体的に面白い作品なのですが、美化しすぎたラストだけがつまらなかったです。こんなラストを描くなら、カットしたほうが良かったと思いますね。

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