映画「千と千尋の神隠し」では、湯婆婆(ユバーバ)が経営している油屋が舞台です。
千尋はそこで働くのですが、お客様にはいろいろな神様がやってきます。
白い神様や、ひよこの神様がいるよね!
「よきかな」で有名なくされ神も!
今回は、映画に登場する「神様のモデル」をまとめたので紹介していきます!
【千と千尋の神隠し】神様のモデルをまとめてみた!ひよこやおしら様の正体は何だったのか?
油屋には、様々な神様がやって来ています。その中でも特に印象的なのは、ひよことおしら様でしょう。
ひよこの神様の正体は何なのか?オオトリ様という名前!
油屋では、ひよこが大量にお風呂に入っているシーンが出てきます。映画の中では出てきませんが、実は「オオトリ様」という名前が付けられています。
オオトリ様は、色んなシーンで登場しています。
千尋とハクが橋を渡っているシーンでも登場しますし、宴会場でハシャいでいるシーンも映し出されています。
オオトリ様の正体って何なのかな?
オオトリ様の正体、ニワトリになる前に亡くなった神様だそうです。何らかの理由でニワトリになれなかったのでしょう。
白い神様の名前は「おしら様」!正体は大根? エレベーターで千尋を助けてくれた理由とは?
千尋が油屋にはじめてやって来た時、湯婆婆(ユバーバ)の部屋まで行こうとするシーンがあります。
湯婆婆の部屋は最上階にあるので、エレベーターを使わないといけません。その時、大きな白い神様も乗ってきました。
あの白い神様には名前があるの?
白い神様には「おしら様」という名前が付けられています。その見た目から「大根の神様なの?」と思いますよね。
実は、おしら様は大根の神様ではありません。
昔から日本に存在する神様でして、農業や養蚕、馬を守ってくれる神様として知られています。
さて、そんなおしら様は、千尋がエレベータの最上階へ行くのを手伝ってくれました。
どうして千尋のことを手伝ってくれたんだろう?
おしら様は、人間の農業などを助けてくれる神様です。そのため、人間の手助けをするのが大好きなのでしょう。
おしら様は、あの後どこへ行ったのかな?
油屋のルールでは、お客様はエレベーターの最上階を訪れてはいけないことになっています。
そのため、おしら様はその後、エレベーターを降りてお風呂場へ行ったと考えられます。
なまはげの神様は「おなま様」という名前が付けらている!正体は?
千尋が橋を渡ろうとしたシーンで、なまはげのお面をかぶった神様が出てきます。彼らには「おなま様」という名前が付いています。
どんな神様なの?
なまはげは、私たちから災いを払ってくれ、さらに五穀豊穣(食べ物の豊かさ)をもたらしてくれます。
怖い顔つきをしていますが、私たちが病気にならず、食べ物に困らないようにしてくれる良い神様なのです。
春日大社のお面を被った神様も登場!
橋を渡るシーンでは、春日大社のお面をかぶった神様も登場します。少し怖い見た目をしています。
どんな神様なの?
実は、春日大社にはたくさんの神様がいます。
- 武甕槌命(たけみかづち)
- 経津主命(ふつぬしのかみ)
- 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
- 比売神(ひめがみ)
春日大社では「健康」「お金」「知恵」「夢実現」などいろいろなご利益があります。
カオナシの正体は神様ではない。現代人(特に日本人)がモデル!
千と千尋の神隠しで印象的なのは「カオナシ」というキャラクターでしょう。
カオナシは神様なの?
カオナシは神様ではありません。カオナシの正体は、現代の私たちです。
カオナシは1人だと「アッアッ」と言葉を話すことができません。ですが、誰かの手を借りる(食べる)と、話すことができます。
1人では何もできず、大勢になると調子に乗りはじめる。これはまさに私たち現代人といえるでしょう。
また、お金で何でも解決しようとするのも、弱い現代人を表現しています。欲しい物が次々に出てくるところもよく似ています。
湯婆婆や釜爺は神様ではない!釜爺の正体やモデルは蜘蛛(蜘蛛)!
油屋を運営している湯婆婆や釜爺は、神様ではありません。神様ではありませんが、人間でもないのです。
湯婆婆は見た目は人間ですが、魔法を使えたりと普通ではないのです。
特に、釜爺(かまじい)は体型が明らかに変です。彼のモデルは蜘蛛(くも)でして、腕が何本もあります。
そういえば、釜爺の「えんがちょ」ってセリフはどういう意味?
「えんがちょ」は、悪いモノを断ち切るおまじないのようなものです(魔法ではありません)
現代人には馴染みがありませんが、1990年代ぐらいには普通に使われていた言葉のようです。
【千と千尋の神隠し】名のある川の主「おくされ神」の正体は龍!「よきかな」に隠された意味!ニガダンゴをくれた理由!
千尋が油屋で働きはじめ、初めて相手をしたのは「おくされ神」でした。
あの汚れまみれの神様だよね!
名のある川の主「おくされ神」の正体は龍だった!綱引きのおかげで明らかに!
おくされ神は、ヘドロだらけの汚い見た目をしていました。ですが、それには理由があったのです。
千尋は「おくされ神の中になにか突き出してる!」と自転車が突き刺さっているのを見つけます。
油屋の人たち全員で、綱引きをすることで自転車を抜き出しました。すると、芋づる式に他のゴミも出てきたのです。
その瞬間、おくされ神が真の姿になりました。「ワハハハハハ!」と笑いながら外へ出ていったのです。
その姿を見た湯婆婆は「あれは、名のある川の主だね」と言います。
どうして川の主って分かったんだろう?
川の主は、龍の姿をしています。おくされ神が飛び出す時、その姿は龍そのものでした。
なぜ「名のある(有名)」と分かったかというと、ゴミだらけだったからです。
大きな川には、不法投棄をする人がいます。ゴミが多いということは、それだけ川が大きいということです。
おくされ神の「よきかな」に隠された意味!
おくされ神は、千尋に向かって「よきかな」というセリフを言いました。
このセリフ、どういう意味なんだろう?
「よきかな」とは「良い」という意味です。
千尋が沸かしてくれたお風呂に「良かった」と言ったのか、あるいはゴミを取り出してくれたことに感謝したのでしょう。
おくれさ神が「にがだんご」を千尋に渡したのはなぜ?理由を解説!
おくされ神が外へ出ていった後、千尋は「にがだんご」をもらった事に気が付きました。
にがだんごには、どういう効果があるの?
「にがだんご」には、次の効果があります。
- 体から悪いものを吐き出させる
- カオナシは食べた人たちを吐き出した
- ハクは体の中から銭婆の呪いを吐き出した
どうして千尋に「ニガダンゴ」を渡したんだろう?
「にがだんご」は不味いですが、体から悪いもの(毒や呪い)を吐き出させてくれます。
千と千尋の神隠しの世界では、呪いなど危険なものが溢れています。そのため、それらから千尋を守るために渡したのでしょう。
おくされ神とニギハヤミコハクヌシとの関係は?2人とも川の主(龍)
おくされ神の正体は、川の主でした。実は、油屋にはもう1人川の主がいます。それがハクです。
ハクはラストシーンで自分の名前を思い出します。「私の名前はニギハヤミコハクヌシ」だと。
2人に共通しているのは、「川の主」で「姿が龍」という点です。直接的な関係は描かれていません。
【千と千尋の神隠し】湯屋(油屋)のモデルは神様のための遊郭だった!千尋はソープで働く女性に見える!
湯婆婆の経営している「油屋」は、ただの銭湯に見えます。ですが、実は遊郭がモデルと言われています!
遊郭とは、江戸時代に存在した「女性が男性を性的にもてなすための場所」です。
千と千尋の神隠しの湯屋(油屋)のモデルは遊郭だった!
どうして油屋のモデルが遊郭だって言えるの?
油屋の設定には遊郭と共通している点がたくさんあります。具体的には、次の共通点です。
- 千尋は親の借金を返すために働いている
- おくされ神とのシーンは、汚いモノを扱う女性に見える
- 油屋にやってくるのは男性の神様だけ
- 女性たちは、夜に働いて明け方に寝る
それでは、1つ1つ解説をしていきます!
両親が屋台で無銭飲食。その借金を返すために千尋は働く。これはまるで・・・
千尋が油屋で働くことになったのは、両親が屋台で無銭飲食をしたからです。
あの屋台が提供しているのは神様の食べ物です。人間では手の届かないレベルの物ですので、両親は多額の借金をします。
その借金を返して両親を取り戻すため、千尋は油屋で働くことになります。
両親の借金を返すため、子供がしぶしぶ働く。夜の世界では、このような光景がよく見られるのです。
千尋と「おくされ神」のやり取りは、汚いものを扱う女性を意味している!
千尋がはじめて相手をしたのは、「おくされ神」という汚れまみれの神様です。ニオイはキツく、千尋はおかしくなりそうでした。
遊郭(ソープ)では、女性が汚いもの(男性)の相手をします。千尋とおくされ神のやり取りとカンペキに一致していますよね。
油屋(湯屋)にやってくるのは男性の神様だけ!
油屋にやってきている神様は、男性だけという点に気づいていましたか?
たしかに、女性の神様は見なかったかも
日本には、たくさんの神様がいますよね。その中にはもちろん、女性の神様もいるわけです。
例えば、アマテラスやアメノサグメは有名な日本の神様です。
普通の銭湯ならば、女性の神様だってやってきます。それなのに男性の神様しか来ないのは、油屋が遊郭だからでしょう。
女性たちは、夜に働いて明け方に寝る。この生活はまさにソープそのもの
油屋の女性たちは、夜に働いて明け方に寝る生活をしています。普通の銭湯でしたら、こんな夜遅くにまで働いていません。
遊郭で働いていた女性たちは、油屋の女性のように夜に働き、明け方に眠る生活を送っていました。
この点でも油屋と遊郭は共通してるんだね!