映画「千と千尋の神隠し」では、湯屋でたくさんの人たちが働いています。
でも、よく見ると人間っぽくないような・・・
実は、湯屋で働いているのは、カエル男とナメクジ女なのです!
人に見えますが、よく見ると彼らの顔はカエルにソックリです↑
女性たちの正体はナメクジです。ちょっと長細くて、ナメクジっぽい感じがあります↑
どうして男はカエルで、女はナメクジなんだろう?
これには、「三(さん)すくみ」という日本に伝わる昔話が関係しています。
今回は、千と千尋に登場する「カエル」や「ナメクジ」の裏設定を紹介していきます!
【千と千尋の神隠し】カエル男とナメクジ女は「三すくみ」がモデル!龍はヘビに似ている!
湯婆婆(ユバーバ)が営んでいる湯屋では、たくさんの男女が働いています。
ですが、その人たちの正体は、男がカエルで女はカエルだったのです!
どうして男がカエルで女はナメクジなの?三すくみが関係!
三すくみって何?
三すくみとは、ジャンケンのようなものです。グーチョキパーの代わりに、「カエル・ナメクジ・ヘビ」を使います。
ジャンケンのように、三すくみには次のような勝ち負けがあります。
- 蛇はカエルに勝つ
- カエルはナメクジに勝つ
- ナメクジは蛇に勝つ
蛇がカエルに勝つのは、蛇はカエルを丸のみできるからです。カエルがナメクジに強いのは、舌でナメクジを捕まえられるからです。
でも、どうしてナメクジがヘビに勝てるの?
ナメクジがヘビに勝てるのは、ヘビの毒がナメクジには効かないからです。また、ナメクジは蛇を粘液(ねんえき)で溶かすことができます。
このような勝ち負けの関係は、ジャンケンにソックリですよね。
千と千尋にカエル男とナメクジ女が登場するのは、三すくみをイメージしているからです。
だけど、蛇が登場してないよね?
千と千尋には、2匹の龍が登場します。1匹目はハクで、もう1匹は「おくされ神」です。
おくされ神は「よきかな」って言って、笑いながら出ていく神様だよね!
日本では、龍と蛇の区別がかなりあいまいです。そのため、「龍=ヘビ」という考え方もあるのです。
つまり、千と千尋の神隠しでは、次のような三すくみが登場しているのです。
- カエル→男たち
- ナメクジ→女たち
- ヘビ→龍(ハクとおくされ神)
三すくみを表現するため、カエル男やナメクジ女を登場させてるんだね!
ナメクジ女よりもカエル男が多い理由!カエルは神聖な生き物!
湯婆婆の油屋では、ナメクジ女とカエル男が働いています。
カエル男のほうがたくさんいるように見える!
千と千尋の神隠しを見ていると、ナメクジ女よりもカエル男のほうが数は多そうです。その理由は2つ考えられます。
- 油屋の近くに水が多いから
- カエルは神聖な生き物だから
油屋の周りを見てみると、海だったり池があったりします。カエルは水に住み着くので、油屋にはカエルが来やすいのでしょう。
また、カエルは日本では神聖な生き物として考えられています。神様のくる場所にはピッタリの生き物なのでしょう。
千尋と同年代の女の子たちが雑巾がけをしていた。あれもナメクジ女。
油屋では、千尋と同年代ぐらいの女の子がおり、雑巾がけをしているシーンがあります。実は、彼女たちもナメクジなのです。
人間っぽく見えるけど、違うんだね
基本的に、油屋では人間は生きていけません。数日もすれば体が消えてしまうからです。
千尋も体が消えそうになりましたが、ハクが食べ物をくれたおかげで消えずにすみました。
番台蛙(カエル)が渡したお風呂の「薬湯札」はどんな役割が?
「おくされ神」が油屋にやって来たとき、千尋が対応することになりました。
おくされ神にお風呂を入れてあげるため、千尋は番台蛙のところへ行きます。そこで、千尋は「薬湯札(やくゆふだ)」を手に入れます。
あの札ってどんな役割なの?
薬湯札を釜爺(かまじい)のところへ送ると、釜爺が薬を混ぜたお湯を流してくれるのです。
千尋は薬湯札を使いまくり、おくされ神にたくさんお湯を浴びせることができました。
番台蛙の声優を担当したのは大泉洋さん!
意外に思われるでしょうが、番台蛙の声優を担当したのは大泉洋さんです。
俳優として大活躍をされている方ですが、ジブリの声優も担当していたのですね!
千と千尋に登場する青蛙の正体は何なのか?なぜ人間の姿をしていない?
千と千尋には、人間のような見た目をしたカエル男が登場します。一方で、青蛙のようなカエルの見た目をした者もいます。
青蛙だけが人間の見た目をしていない理由(そのまんまのカエルじゃん!)
どうして青蛙だけが人間の見た目をしていないんだろう?
青蛙の見た目は、そのまんまのカエルです。他のカエル男たちは人間っぽいのに不思議ですよね。
青蛙がそんな見た目をしているのは、まだ見習いだからと考えられます。
他のカエル男たちは、湯屋の内側で働いています。ですが、青蛙は外にある橋で受付をしています。
なんか雑用っぽいね
橋での受付は、見習いがさせられそうな雑用です。
青蛙は今はカエルの姿をしていますが、これから成長することで他のカエルのように人間の見た目になると思われます。
青蛙がカオナシに食べられた理由
青蛙が夜に見回りをしていると、目の前に金が落ちていました。そこにはカオナシがいたのです。
カオナシはたくさんの金を渡そうと見せかけて、青蛙を食べてしまいます。
どうしてカオナシは青蛙のことを食べたんだろう?
カオナシが青蛙を食べたのは、言葉を話せるようになるためです。
元々、カオナシは話すことができませんでした。「アッアッ」と声を出すことはできましたが。
カオナシは千尋のことが大好きですので、千尋と話をしたかったのです。
話す能力を手に入れるため、カオナシは青蛙を食べました。その結果、千尋と会話する夢がかなったのです。
青蛙が海を泳いでたけど、普通なら死んでる
カオナシに食べられた青蛙ですが、最終的にはカオナシが海の中へと吐き出します。
その後、青蛙は何もなかったかのように海の中を泳いでいきます。ですが、このシーンとても変なのです。
蛙は海の中に入ると、塩が体に入りすぎて生きることができません。そのため、このシーンは現実ではありえないのです。
青カエルのセリフで印象に残ったもの!
青カエルは独特なキャラクターなので、印象に残っている方も多いでしょう。
個人的に、青カエルのセリフで印象に残ったのは次のとおりです!
- ハクさまー!
- それ、金か?もっとくれ!
- 千のおかげで俺たち助かったんです
青カエルは少し面倒くさいキャラに思えました、最後は千尋に感謝を告げてくれました。
青蛙の声優を担当したのは我修院 達也さん(「ハウルの動く城」のカルシファー役)
青蛙の声ってすごく耳に残りますよね!声は我修院達也(がしゅういんたつや)さんが担当しています。
我修院達也さんは、元女優の母親の影響を受け、6歳から子役として活躍しています。声優だけでなく俳優でもあります。
実は、はじめて声優をしたのは千と千尋の神隠しの青蛙でした。その後、ハウルの動く城ではカルシファーを担当しています。
リンの正体は白狐(キツネ)や人間という説!でも、人間だとしたら変な点が・・・
三すくみは「カエル・ナメクジ・ヘビ」の3種類でした。実は、千と千尋の神隠しには、他の動物も登場します。
それは、下働きのリンです。
下働きの女性は、何をしているの?
下働きの女性は、料理を作ったり、湯屋の掃除をしたりしています。
一方で、ナメクジ女たちの役割は、お風呂に入りにきた神様の体を流したりすることです。
リンは油屋で働いている14歳の少女!(ってことは人間?)
リンは公式の設定で、「油屋で働いている14歳の少女」という設定です。
少女だったら、人間じゃないの?
リンが少女だとしたら、不自然なシーンがあります。それは、千尋とリンがはじめて出会ったシーンです。
リンは千尋を見たとき「あー!人間がいんじゃん!」と驚きます。自分が人間だとしたら、こんなに驚くでしょうか?
それは不自然だね
リンが人間だとしたら、イモリの黒焼きを欲しがるか?
また、他にも「リンが人間」という説を怪しくするシーンがあります。それは、イモリの黒焼きを欲しがるシーンです。
釜爺(かまじい)が「リン、千尋を湯婆婆のところへ連れていってくれ。その代わり、イモリの黒焼きをあげるよ」と言います。
リンは「イモリの黒焼きをもらえるなら仕方ないね」と引き受けます。
人間がイモリの黒焼きを欲しがるかな・・・?
リンが変わり者だったら、人間でもイモリの黒焼きを欲しがるかもしれません。ですが、普通は欲しがらないでしょう。
リンの正体は人間ではなさそう。だったら白狐?考察してみた!
「リン=人間」という説は、かなり怪しいです。
他にはどういう説があるの?
「リン=人間」という説以外に、「リン=白狐(シロギツネ)」という説もあります。
どうして白狐なの?
実は、千と千尋の神隠しのキャラ設定が練られていたとき、リンは白狐という設定がありました(公式)
ですが、あくまで初期の設定です。設定はかなり変わります。例えば、カオナシは元々、服を着ている設定でした。
カオナシが服を着ているなんて想像できないなぁ笑
設定はコロコロ変わるので、「リン=白狐」という設定が変わっていてもおかしくはありません。
リンは実は男なのでは?なぜ一人称が「オレ」なのか?
リンって女に見えるけど、一人称は「オレ」だよね
もしかして男なの?
俺(オレ)という一人称は、男性が使うイメージですよね。でも、元々は女性も使える言葉だったのです。
ですが、いつの間にか男性だけが使う言葉になりました。
千と千尋の神隠しは昔の世界です。そのため、女性が「オレ」という言葉を使う風習が残っていてもおかしくありません。
リンのセリフやシーンでお気に入りのものを紹介!
リンはとても優しくて頼りになる女性です。油屋でさびしい思いをしていた千尋を支えてくれました。
そんなリンの印象に残るセリフを紹介したいと思います!
- 「おまえトロイからさ、心配してたんだ。油断するなよ、わかんないことはおれに聞け?な?」
- 「おれいつかあの街に行くんだ。こんなとこ絶対やめてやる」
- 「千(せーん)!こっちだー!」
- 「カオナシ!千に何かしたら許さないからな」
千尋が油屋で働くことが決まったとき、リンは喜んでくれました。「わからないことは俺に聞けよな?」というセリフはとても頼りがいがあります。
リンは油屋で働いていますが、好んでいるわけではありません。将来的には別の街に住むつもりのようです。
また、千がカオナシから逃げている時、船で迎えにきてくれました。その後、カオナシに警告もしてくれたのです。
リンってすごく優しいから大好き!