映画「千と千尋の神隠し」で、坊(ぼう)と呼ばれている赤ちゃんが登場します。
坊は湯婆婆の子供でして、クッションの中でずっと引きこもっていました。
どうして引きこもっていたんだろう?
坊は、「外の世界は汚い!病気になる!」と言ってますので、病気にならないために引きこもっていたのです。
この坊の態度は、「ハンセン病を差別する人の象徴」というウワサがあります。
ハンセン病って何?
ハンセン病とは、皮膚がただれたり、神経が麻痺したりする病気のことです。
ハンセン病の患者は、映画「もののけ姫」にも登場しています。
皮膚がただれてたり、包帯を巻いてる人が出てたね!
宮崎駿監督は、ハンセン病に深い感情を抱いています。それを描くため、ジブリ作品にハンセン病を登場させたようです。
【千と千尋の神隠し】赤ちゃんの防は、ハンセン病を差別する人の象徴だった?
坊は赤ちゃんですが、ものすごく大きな体型をしています。体型だけ見ると、とても赤ちゃんとは思えません。
赤ちゃんの坊は、クッションの中から出てこないワガママな子供
初めて坊が登場したのは、千尋がハクを追って湯婆婆の部屋に入ったシーンです。
龍のハクが、白い紙に襲われてたんだよね!
湯婆婆の部屋に入ったもののすぐに湯婆婆が帰ってきました。千尋はクッションの山に隠れることにします。
そのクッションの中には、湯婆婆が溺愛している「坊(ぼう)」がいたのです。
坊「僕と遊んでよ」
千尋「ごめん、私行かなくちゃいけないの!」
坊「遊んでくれなきゃ、泣いてバーバを呼ぶよ!」
坊はとにかくワガママな子供に見えます。ですが、坊は「ハンセン病を差別する人たち」の象徴とウワサされています。
赤ちゃんの坊が、「ハンセン病を差別する人」の象徴といわれている理由!「おんも」とは「お外」のこと!
どうして坊はハンセン病を差別する人だって言われてるの?
坊は、映画で次のようなセリフを言っています。
坊「お前、病気移しに来たんだな。おんもには悪いバイキンしかいないんだぞ」
おんもって何?
おんもとは、家の外のことです。「家の外→おもて→おんも」と変わっていったのです。
坊は「外はバイキンだらけ」という誤った考えを持っています。この考えは、ハンセン病を差別する人の考えと似ています。
ハンセン病は治療法ができました。ですので、治療さえすればハンセン病が他人に移ることはありません。
でも、それでも差別する人はいるんだね
「ハンセン病は治療してもうつる!」と差別する人が世の中にはいました。これは、坊が「外に出たら病気になる!」と言ってるのと同じです。
千尋の「こんなところにいたら、病気になるよ!」は心の病を意味していた?
坊が「外に出たら病気になる!」と言ったのに対し、千尋は「こんなとこにいる方が病気人なるよ!」と言い返します。
坊がハンセン病を差別する人だとすると、千尋のこのセリフは「そんな考えを持ってるほうが病気(心の)だよ!」という意味にも解釈できます。
病気で人のことを差別する人は、正しい心をしていません。千尋は「差別は良くない!」と訴えたかったのでしょう。
宮崎駿監督は、なぜハンセン病に思い入れがあるのか?
どうして宮崎監督は、ハンセン病に思い入れがあるんだろう?
宮崎駿監督は以前、「多磨全生園」というハンセン病の療養所を訪問しました。
また、佐川修さんという、ハンセン病に苦しんでいた方が作った「ハンセン病資料館」も訪ねました。
その資料館を見て、ハンセン病の歴史や差別に驚愕したそうです。そして、「差別された人も描く作品を作りたい」と思ったようです。
ハンセン病の差別には、どんな事があったの?
ハンセン病にかかっていた人たちは、次のような差別を受けました。
- 病気を移さないため、離れた場所で隔離
- 子供に遺伝しないように、不妊治療を行う
病気になったら、家族とも離れ離れにされたそうです。いきなり見知らぬ人たちとの共同生活なんて、あまりにヒドい待遇です。
坊は湯婆婆の息子?それとも孫?誰との子供なのか?父親候補は2人!
湯婆婆ってかなりの年齢だよね
湯婆婆の年齢は100歳を超えているといわれています。それなのに、坊の見た目は赤ん坊です。
普通なら、坊は湯婆婆にとっての孫、あるいはひ孫と考えるべきでしょう。
ですが、坊は湯婆婆の息子なのです。あまりに年が離れているので、ビックリしますよね。
湯婆婆の息子だとしたら、父親は誰なの?
坊の父親は誰なのか明らかにされていませんが、「外の世界の人」あるいは「釜爺(かまじい)」とウワサされています。
年齢的に、釜爺と湯婆婆は近そうですよね。ですが、湯婆婆が釜爺のような変わり者を好きになるとは考えづらいです。
そこで有力になるのが、外の世界の人です。外の世界の人と子供を生んだため、坊には「ずっと赤ちゃんになる」呪いがかけられているのかもしれません。
なぜ坊は千尋の血を怖がったのか?
千尋がクッションの山に入ったとき、坊に捕まって出れなくなりました。そこで千尋は、坊に血を見せたのです。
すると、坊は泣き叫び、千尋は脱出することに成功します。ですが、血ってそんなに怖いものですかね?
実は、昔は「血=生理=不潔なもの」という考えがあったようです。そのため、坊は血を見て「汚される!」と怖がったのでしょう。
生理は別に不潔ではありません。昔の人がこのような差別をしていたのはガッカリです。
坊の身長と体重はどれぐらい?
主人公の千尋は小学生4年生です。その千尋よりも坊のほうが少し大きいので、千尋の身長から坊の身長をかんがえてみます。
小学4年生の女子は、平均で140センチです。それよりも少し大きい坊の身長は、およそ150センチほどでしょう。
体重は、たとえ150センチでもあの肥満でしたら90キロは超えていると予想できます。
坊はお菓子ばっかり食べて太りすぎだよ〜!
赤ちゃんの坊に名前はあるの?
湯婆婆は、赤ちゃんのことを坊(ぼう)と呼んでいます。ですが、坊は「赤ちゃん、男の子」という意味で、名前ではありません。
映画では、坊の本当の名前が登場することはありませんでした。
坊には名前がないのかな?
湯婆婆が坊のことを名前で呼ばないのは、そもそも彼に名前がないからかもしれません。
千と千尋の世界では、名前が悪用されることがあります(例えば、ハクは名前を奪われて湯婆婆に呪いをかけられました)
名前があると不便するため、湯婆婆はあえて名前を付けなかったのかもしれません。
赤ちゃんは「坊ネズミ」になってから、精神的に成長した!
坊は、湯婆婆の姉である銭婆によって、ネズミに変えられました。名前は「坊ネズミ」です。
坊ネズミになって、坊は千尋といっしょに銭婆の家まで旅に出ました。
その旅を通じて、あれほどワガママだった坊は成長します。湯婆婆に「千尋を元の世界へ帰してあげて」と優しい提案をしました。
湯婆婆は坊を愛していたのに、緑の頭が変身していたのに気づかなかったのは情けない!
銭婆によって、坊はネズミに変えられました。その間、坊の代わりをしてもらうために緑の頭「おいおい」が坊になったのです。
それに気づかず、湯婆婆は「おいおい」のことを坊と勘違いして愛していたのです。
ハクに「大事なものがなくなったのに、気づかないのですか?」と言われてはじめて気づきました。
このシーンはちょっと情けなかったよね〜
湯婆婆は直感が鋭そうだけど、子供のことになると鈍くなるのかもね
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