(ジャンル・ヒューマンドラマ)
ストーリー:母親と2人で暮らす少年は、自分勝手な母親に振りまわされてツラい人生を送ります。
個人的な点数は60点ですね。
実話がモデルの邦画「MOTHERマザー」のあらすじ!ジャンルはヒューマンドラマ!
小学生の少年は、母親と2人で暮らしています。母親は自分勝手で、働きもせずにパチンコで遊んでいます。
ある日、ゲームセンターで母親は1人のホストと出会います。そのホストと仲良くなり、一緒に暮らしはじめます。
ですが、ホストの実家は名古屋にあるので帰らないといけません。母親は「私も行く!」と言い、少年は1人で留守番をすることになります。
母親はなかなか帰ってこず、少年は離婚した父親からのお金でなんとか生活をしていました。
何週間も経ってから、ようやく少年の元へ母親とホストは帰ってきます。
ホストは「お前の母親と結婚するわ!これから俺が父親だ!」と言い、少年の生活はさらに不自由になっていきます。
実話がモデルの邦画「MOTHERマザー」の感想&考察!長澤まさみの演技に心が苦しくなる(ネタバレありの解説です)
※ここからネタバレあります
実話をモチーフにした映画。元ネタは「川口祖母殺害事件」
「MOTHERマザー」は、実話をモチーフにした作品です。その元ネタとは、埼玉県で起きた「川口祖母殺害事件」です。
この事件では、1人の少年が祖父母を殺害しました。そして、8万円とキャッシュカードを奪ったのです。
なぜこのような事件を起こしたかというと、母親に「お金を貸してくれなかったら、殺してでも奪え」と言われていたからです。
どうやって祖父母は発見されたのか?
祖父母が発見されたのは、娘が子供2人を連れて訪ねてきたからです。ですが、探しても祖父母はいません。
そこで、娘は警察に連絡をして、いっしょに家の中を探しまわります。すると、大量の段ボールの近くから遺体が発見されました。
なぜ犯行がバレたのか?
少年は8万円とキャッシュカードを奪いました。キャッシュカードで1万円ほど下ろしている姿を監視カメラが映していたのです。
お金を下ろしているとき、母親も一緒でした。そのため、少年と母の2人が逮捕されたのです。
少年は「母は関係ない」と主張。でも、最後は「母に指示された」と告白
逮捕された少年は、初めは「母は関係ない。自分がやった」と主張したそうです。ただ、15年の求刑が決まったとき、「母に指示された」と告白したそうです。
でも、本人の意志もあったそうです。「お金を奪わなければ、妹と母が生活できない」と考えていました。
なんだかとても悲しい事件ですよね。
母親はホストクラブに入り浸ったり、暴力男(少年の歯を4本折った)と付き合ったりもしていました。
そんな母親でも、昔からいっしょに暮らしてきた仲です。少年は母親を愛さずにはいられなかったのでしょう。
特に、男の子は母親のことが好きですからね。
長澤まさみの演技が普通にうまい!
続いて、映画の感想を書いていきますね。この作品で印象的だったのは、長澤まさみの演技力です。
東大受験ドラマ「ドラゴン桜」に出演してた頃のイメージしかなかったので、「こんなに演技うまくなってたんだ・・・」と驚きました笑
長澤まさみは笑顔が魅力的ですね。シワを作るのを気にせず、思いっきり笑うところがステキでした。
母親がダメ人間すぎ。まるで闇金ウシジマくんの世界
とにかく母親のダメさ加減にイライラさせられました。子供のことを考えず、男とイチャイチャしてばかり。
「名古屋へ行くから!あんた留守番してて!」と小学生の少年に頼んだり、親族から金をせびったりなど、本当にロクでもないです。
祖母がヒステリックになるのも仕方ないですよ。平和な老後を過ごしたいのに、娘がずっと心配をかけてくるんですから。
母親は、まさに大ヒット漫画「闇金ウシジマくん」に出てくるようなキャラクターでした。
父親も最悪。元ネタでは虐待も
母親は、ゲームセンターでホストに出会って恋仲になります。ソイツも最悪だったんですね。
少年がいるにも関わらず母親とイチャイチャしたり、少年にパシリをさせたり恫喝したり。
元ネタの「川口祖母殺害事件」では、この男は少年に虐待もしていたようです。前歯が4本折られた経験も。
ラブホに泊まったり、テントを張ったりしたのも実話
映画では、母親と少年、義父の3人でラブホテルに泊まります。また、母親と少年がラブホの敷地内にテントを張るシーンもありました。
実は、これらのシーンは実話だったようです。
義父は日雇い労働者で、お金のあるときはラブホに泊まりました。お金のない時はテントを張ったそうです。
職場の上司が普通にクズだった笑
かなり印象に残ったのは、少年の働いている職場の上司が、母親とイチャイチャするシーンです。
上司は母親に、「親だったら働けよ!子供を二十歳になるまで面倒見ろよ!」と説教します。
良い人そうに見えましたが、結局は母親とイチャイチャする仲に。マジメそうな上司に見えましたが、底の浅い人間だったのです。
妹の泣くシーンが可哀想すぎる・・・
職場の上司が母親に説教をするシーンでは、妹が大泣きします。このシーンが可哀想すぎて・・・。
妹にとって、ダメな母でも親なのです。自分の親が責められてるのですから、妹はとても悲しかったでしょう。
上司の言ってることは正論なのですが、せめて何も関係のない妹がいない所で説教をして欲しかったですね。
元ホスト(義父)は結局、殺されたのかな
義父は母親と少年に「50万円を貸してくれ!殺されちまう!」とお願いしてきます。でも、彼らはそんな大金持っていません。
結局、義父は殺されてしまったのではないでしょうか。内臓を売られた可能性もありますね。
義父は去るとき「お前に迷惑をかけたくない!最後ぐらいカッコ付けさせてくれ!」と言ってましたよね。
それなのにまた頼ってくるなんて本当にダサい男です。
ラストに母親は何を思ったのか?
生活支援員の方に「息子さんは、あなたのことを愛しています。今でもそうです」と母親に伝えます。
そう言われた時、母親の目が少しだけ前を向いたのです。息子のことを自分勝手に扱ってきた母親ですが、「罪を償わないと」とほんの少しだけ感じたのではないでしょうか?
あの後、母親は自首するのかもしれません。ただ、彼女は考えが変わりやすい人物ですので、自首しない可能性の方が高いと思いますけどね。
「普通の家庭に生まれて良かった」と感じる
こういう恵まれない家庭の話を見ると、「学校に通わせてくれ、誕生日やクリスマスを祝ってくれる普通の家庭に生まれた良かった」と思います。
「MOTHERマザー」に出てくるような家庭は、実際に存在するんですね。そのような家庭に生まれたら、生きることに精一杯の人生を送ることになっていたでしょう。
まともな生活を送れてるのは、運良く普通の家庭に生まれたから。本当にただそれだけなんですよね。
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