(ジャンル・サスペンス&ヒューマンドラマ)
ストーリー:脳に障害を持った男が、コメディアンを目指しています。しかし、必死に努力をするも次々と不幸にみまわれます。
個人的な点数は90点ですね。
映画「ジョーカー」のあらすじ!ジャンルはヒューマンドラマ&サスペンス!
主人公の男は、ピエロとして働きながらコメディアンを目指しています。ですが、男は脳に障害を抱えており、急に笑いはじめて止まらない時があります。
そんな症状のため、主人公は周りから気味悪がられることがしばしば。それでも男は、コメディアンになるために努力を続けます。
ある日、男は若者にからまれます。それを聞いた仕事仲間が「これを持ってれば安全だ」とピストルを渡してきました。
男はそのピストルを服に入れて小児科の病院でピエロを演じます。ですが、服からピストルが落ちて病院の人から怖がられます。
それが会社の人間に知られ、しかもピストルを渡してきた男が「あいつは俺からピストルを買おうとした」と嘘をつきました。
それが原因で、男はピエロとしての職業を失います。男は不幸な人生と、まわりの人間に怒りをつのらせます。
その日、男が電車に乗って帰っていると、若者たちにからまれます。男は我慢ならず、ピストルで若者を撃ち殺します。その日、男の中で何かが吹っ切れました。
映画「ジョーカー」の感想&考察(ネタバレありの解説です)
※ここからネタバレあります
「さすが!」と叫びたくなるほどの出来ばえでした!話題になるだけあってとても面白いストーリーでしたね!
この映画を観る前、多くの方が「アーサーはジョーカーになっても仕方がない」という感想を残していたのが気になっていました。
ジョーカーを観おわったとき、私もまったく同じ感想をもちましたね。「こんだけ辛い人生を送ったのなら、ニクい奴らに復讐をしたくなるよな〜」
アーサーは劣等感のかたまり
アーサーって本当にかわいそうなんですよ。次のようなマイナスポイントばかり持って生きています。
アーサーのかわいそうな点
- 理解力が低いので、難しいジョークがわからない(コメディアンとして致命的!)
- 劣等感がひどいので、ネタのほとんどは自分を褒めるもの(誰も笑わないのはこれが原因!)
- 大切にしてきた母親が、昔は自分のことを苦しめていた
- 変人という印象をもたれているため、周りが自分をおとしめてくる
アーサーはコメディアンですが、ネタが可哀想なぐらいつまらないです。つまらない原因は、ネタが「自分を褒めるもの」だからです。
「ママは僕が社会人になると言った。ちがうよ、僕はコメディアンになるんだ。」
「あれ?おかしいな?昔はコメディアンになるって言ったら笑われたのに、今は誰も笑わない!」
どのジョークも、自分の劣等感をなぐさめるためのものです。アーサーがどれほど劣等感を抱えて生きているかわかりますね。
アーサーは母親から妄想癖を引き継いでいた
アーサーは母親から妄想癖を引き継いでいました。隣人の女性が出てくるシーンのほとんどは彼の妄想です。
アーサーの妄想シーン
- 隣人の女性がステージにやってきてくれたこと
- 隣人の女性が「殺人ピエロは私たちの味方」と言ったこと
- 母親のお見舞いに来てくれたこと
アーサーが妄想に気づいたのは、母親が妄想癖を持っていることを知ったのがきっかけです。
アーサーは母親の言葉を信じて「市長はぼくのパパだ!」と信じていました。ですが、それは母の妄想だったのです。
アーサーがショックだったのは、母親とマレーの裏切り
アーサーは精神病院へ行き、母親の過去を知ります。そこで、母親が自分を虐待していたことを知るのです。
しかも、自分は養子なので母親とは血がつながっていません。アーサーは、義理堅い人間ですので、裏切りがもっともショックな出来事なのでしょう。
アーサーが義理堅い人間なのは、働いていた会社の男2人が家にやってきたシーンでわかります。
自分を裏切った男はピストルで殺しました。ですが、自分の味方だった小男だけは殺さなかったのです。アーサーは、自分に優しい人間には優しくできるのです。
アーサーが冷蔵庫に入ったのはなぜ?ジョーカーで一番のナゾ!
アーサーは母親を信じて市長に会いにいきました。しかし、市長に「お前は息子ではない。お前は母親が勝手にもらった養子だ」と告げられます。
市長がパパだったら、どれほどアーサーは嬉しかったことでしょうか。アーサーが求めていたのは、他人の温かい気持ちなのです。
ですが、市長からもらえると期待していた愛情は母親の妄想だったわけです。このとき、アーサーの心は完全に冷え切っていました。
アーサーは家へ帰り、不思議なことに冷蔵庫をガサゴソしています。すると、冷蔵庫の中へ入って扉をしめたのです。
「なぜアーサーは冷蔵庫へ入ったのか?」ジョーカーを観た人たちなら、間違いなく疑問に感じたでしょう。
このナゾな行動に対して、私なりの考察をしたいと思います。
アーサーが冷蔵庫に入ったのは、「完全に心が冷えた人間に生まれ変わるため」ではないでしょうか。
アーサーは母親に裏切られ、「今まで幸せな瞬間は1度もなかった」と悟ります。そして、「好きなように生きることが人生」とも悟ります。
絶望にいたアーサーにとって、「好きなように生きること=憎いヒトたちに復讐をすること」でした。
しかし、復讐をするためには覚悟をしなければいけません。今までの優しい心は捨てなければ不可能なのです。
アーサーは「自分の優しい心(ぬくもり)」を捨て去るため、冷蔵庫に入って全身を冷やしたのです。
「アーサーは自殺した」という意見もあるようですが、自殺したのならその後のストーリーが続かないので、おそらく違うと思います。
マレーがクソ野郎すぎる笑
アーサーが尊敬していたのはコメディアンの「マレー」です。彼はコメディ番組の司会者をしており、アーサーは彼を心から尊敬していました。
ですが、マレーはアーサーの失敗したステージをさらし者にし、「母親の言うとおり、か彼はコメディアンに向いてない」と最悪の言葉をはなちます。
アーサーは、「頑張ればいつかはマレーのようなコメディアンになれる!」と信じて生きてきました。
ですが、その憧れのマレーに「コメディアンは無理だ」と告げられたのです。これほど人をどん底に落とすような出来事はないでしょう。
このシーンを観たとき、「マレー!お前クソ野郎すぎるだろ!!」と思いましたね。
人をけなすことで笑いをとる人ってたまに見かけますよね。ああいうの本当にキラいなんですよ。
そういった方法で笑いをとっても、誰も幸せにならないんですよね。
そんな最低なネタを披露したマレーを、アーサーは銃でスカッと撃ち殺してくれます!このシーンは本当に最高でしたね!
「よくやったアーサー!お前はもう自由に生きていいんだぞ!」と自分のことのように嬉しくなりました笑
ラストシーンの足跡は何なのか?
映画のラストでは、アーサーが逮捕されて収監されています。そこでのアーサーの足跡は、なぜか血の色が付いているのです。
この血が意味するのは、「人を殺して生きてきた」「これから進む先、人を殺しながら生きていく」だと思います。
実際、ジョーカーになったアーサーは、これからも人を殺していきます。ラストシーンでは、これからの展開を暗示しているのだと思います。
以上が、ジョーカーの感想でした!久しぶりに傑作を観ましたね!
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